屋根の葺き替えの工程について

屋根の葺き替え工事は『下地から全て新調する』くらいしかわからない。具体的にどのような工程で行うのかわからない方が多いと思います。
この記事では、そんなあなたの不安解消の手助けとなるよう、屋根の葺き替え工事の工程、ポイントや注意点をまとめて丁寧に解説していきます。

「せっかく高いお金を払うなら、下地から全てしっかりリフォームしてもらいたい」
と思っているけれど、実際の葺き替え工事の工程がまだよく分かっていない…
という方は、当記事をぜひご一読ください。

屋根の葺き替え工事の基本工程

１近隣へのご挨拶

屋根の葺き替え工事をするにあたり、ご近所にお知らせとご挨拶を行いましょう。工事中は騒音の発生や粉じんの飛散もあり、ご近所の方の生活にも影響を及ぼしてしまうことがあります。そのため、挨拶回りは非常に重要です。業者さんと一緒にしっかりとご挨拶に行くことをおすすめします。

注意点

ご挨拶の際は下記の3点をお伝えしておくと近隣トラブル防止に繋がります。

・工事の期間（開始日〜終了日）
・工事の開始時間と終了時間
・休日の工事の有無

 

２足場設置

業者さんが安全に作業をするため、足場を設置します。足場を組むことは、安心・安全に工事を進めるため、そして工事のスピード効率や品質向上のために非常に重要な第一歩です。また、既存の屋根を撤去する際などにホコリやゴミが飛び散ってしまうので、養生シートを張って飛散防止をします。

注意点

建物の周りにあるものは片付けておきましょう。足場の設置がしづらく、また、作業員が誤って傷つけてしまう恐れもあります。

 

３既存屋根の撤去・下地の状況確認

これまでの屋根材を取り、処分します。アンテナが設置されている場合は、少し浮かせて屋根材を撤去していきます。
雨天時には雨漏りの恐れがあるため、既存屋根の撤去から防水シート敷きまでの工程を大人数で一気に行う場合があります。

 

４下地板（野地板）の設置

屋根材を支えるため、下地板を張ります。下地板は屋根の構造を支えており、また耐震性や耐風性を高める役も兼ね備えています。そのため、雨水の染み込みによる木材の腐食やカビの発生は絶対に避けなければなりません。下地板をしっかり設置することは、屋根だけでなく頑丈な家作りにも大きくつながるのです。

注意点

下地板を固定する際、釘打ちの音が近隣にも鳴り響く恐れがあるため、必ず事前の挨拶回りでお知らせしておきましょう。

 

５防水シート（ルーフィング）設置

雨水の屋内への侵入を防ぐため、下地板の上に防水シートを張っていきます。劣化した防水シートは、防水効果の低下により雨漏りや建物自体の腐食・サビを引き起こしてしまうのです。
防水シートは屋根材で防ぎきれなかった雨水の侵入を防ぐ、重要な役割を担っています。
瓦屋根の葺き替えの場合、防水シートの上に桟木（さんぎ：瓦を引っ掛けるため横に張り渡した細い木材）を敷きます。

注意点

雨漏りの完全防止のため、防水シートを隙間なく敷いてもらうように注意しましょう。防水シート設置後の写真を見せてもらって確認することをおすすめします。

 

６新規屋根材の設置

新しい屋根材を敷いていきます。さらに、側面からの雨水の侵入防止のために、板金などで隙間を埋めます。

 

7片付け、足場の解体・撤去

足場の解体と撤去、そして片付けや清掃を行います。足場設置時と同様、作業中は大きな音が出ます。そのため、ご近所の方に事前にお伝えしておきましょう。

 

おわりに

ここまでお読みいただきありがとうございます。
この記事では、屋根の葺き替え工事の基本工程と注意点の解説をしました。作業工程のひとつひとつに大きな意味があり、その全てが屋根の機能を最大限に引き出すために重要なものだということがお分かりいただけましたでしょうか。施工前に一度作業の工程と内容を把握しておくことで、今日はどんな作業がされ、屋根のどのような機能が強化されたのか分かるようになりますよね。
良い業者さんは、雨漏りなどの自然災害に負けないため、丁寧でしっかりした作業をしてくれます。お客様のお住まいを第一に考え、お客様にしっかりと満足していただくため、丁寧な施工を心がけているからです。そして、丁寧な作業をしたことの証明となるのが作業報告書。良い業者さんは、お客様に対する作業報告をしっかりと行なってくれます。そのため、お客様ご自身も作業工程の内容を理解していただくことで、大切なお住まいがしっかり丁寧に施工されているかどうかを見極めることができるのです。
より安心して施工期間を過ごすために、そして大切なお住まいを守るために作業工程と注意点を把握した上で工事本番にしっかり備えましょう。